家族の協力なしでも大丈夫!ガスボンベの備蓄を1人でスタートする方法
家族のために一人で始める簡単備蓄方法第3弾。
過去の記事では、トイレや水の備蓄について紹介しましたが、今回は「ガスボンベ」について考えてみたいと思います。
災害時に備える際、多くの人が食料の確保を第一に考えるかもしれませんが、実際には家に食料が全くないという状況は稀ではないでしょうか?
お米やカップラーメン、乾麺、缶詰など、何かしらの食料は家庭にあることが多いでしょう。
しかし、災害時に困るのは、食料があっても「調理できない」状況です。
例えば、カップラーメンがあるのにお湯を沸かせない、お米があるのに炊けないといった問題です。
また、停電やガスが使えない中で食あたりのリスクも高まります。
そんな時、火を使うことができれば、生活の質が大きく向上すると思いませんか?
そこで今回は、ガスボンベの備蓄方法と、その有効活用についてお話しします。
さらに、ローリングストック法を取り入れて、効率的にガスボンベを管理する方法もご紹介します。
どれくらい備蓄すればいいのか?
過去の記事でも説明しましたが、災害発生直後の72時間(3日間)は人命救助が優先されます。
このため、災害発生から最初の3日間は、救援物資の配布やライフラインの復旧にまで手が回らないことが想定されます。
さらに、ガスの復旧には、管の損傷確認や修理、または各家庭への安全確認が必要であり、これは通常の都市機能が停止している状況下では、7日間以上かかることも十分に考えられます。
そう考えると、最低でも3日分、可能なら7日分の備蓄が欲しいところ。
調理用カセットガスの備蓄量
災害時に必要なガスボンベの量を考える際、調理用ガスボンベの量は特に重要です。
しかし必要なガスの量は、人それぞれの環境や食料の状況によって変わります。
そのため、一律にどれだけ備蓄すればよいかは一概に言えません。
僕の場合、過去に1人当たり1日5リットルの水を備蓄することを決めました。
この水を使って調理するために、どれくらいのガスが必要かを考えたところ。
基準としては『この5リットルの水をお湯に変えるためのガスがあれば十分』という結論に至りました。
これに基づいて、今回は水を沸かすために必要なカセットガスの備蓄量を計算してみます。
カセットガス1本でおおよそ1時間から1時間半の連続使用が可能です。
5リットルの水を沸かすためには、およそ20〜30分の火力が必要です。
したがって、1日当たり1人0.5本のカセットガスがあれば対応できると考えられます。
• 1人あたりの水の量:1日5リットル(調理用水含む)
• 1人あたりのガス消費量の目安:1日あたりカセットガス0.5本
家族4人の場合の備蓄シミュレーション
家族4人の場合、1日あたり2本のカセットガスが必要となります。
これを基に、1週間分のカセットガスを備蓄する計算は以下の通りです。
• 1日2本 × 7日分 = 14本
つまり、家族4人分の水を沸かすためには、7日分で最低14本のカセットガスを備蓄しておくことが目安となります。
暖房用カセットガスの備蓄量
暖房用としてカセットガスストーブを利用することは、災害時には非常に便利です。
しかし、ガスボンベを大量に備蓄する必要があるため、災害時の防寒としてカセットガスストーブに頼るのは、あまり現実的ではない気もします。
僕は今回、調理用ガスボンベは備蓄することを決めました。
ガスボンベにも使用期限があるので、備蓄用のガスボンベはローリングストック法で日常的に消費しようと考えています。
そのために、冬場の日常使いでカセットガスストーブを使用することを検討中です。
しかし災害時には、本当に緊急の時でなければカセットガスストーブは使わないという方針に決めました。
災害時の防寒対策は別の方法を考えます。
カセットガスストーブ用の備蓄目安
僕が購入を考えているイワタニのカセットガスストーブ【マル暖】の場合、1本のカセットガスで約1時間40分間燃焼できます。
緊急時に数時間だけ暖を取ることを想定し、1日あたり2〜3本を使用する計算にします。
1日2〜3本使用として、暖房用は3日分で6〜9本のカセットガスがあれば十分でしょう。
カセットガスの備蓄量合計
調理用に14本 暖房用に6〜9本 ということで
24本をMAXとして、そこから日常的に使って、21本になったら3本買い足すというローリングストック法を実施しようと思います。
ローリングストック法シミュレーション
24本のカセットガスを7年で使い切るには?
カセットガスの使用期限は約7年とされています。
そのため、24本のカセットガスを7年で使い切るとしたら、1年で約3.43本を使用する必要があります。
これを考慮すると、1年で4本消費するのが理想的なペースです。
1年で4本のカセットガスを消費するには?
夏場はガスをあまり使わないので、冬の11月から2月までの4ヶ月間に、月に1本のペースでカセットガスを消費します。
これを実現するための具体的な方法としては、カセットガスストーブを寒い朝に使い、部屋がエアコンで温まるまでの数分間暖を取るという方法です。
また、鍋料理でガスコンロを使用することで、無理なく1ヶ月に1本のカセットガスを消費できます。
1日にどれくらいガスストーブを使えばいい?
1本のカセットガスで約1時間40分(100分)燃焼できると仮定して。
これを月に1本使い切るためには、1日に約3分20秒使用すれば良い計算です。
このように、冬場の寒い朝にカセットガスストーブを使い、さらに冬の鍋料理でガスコンロを活用することで、1年で4本のカセットガスを消費することができます。
これにより、無理なくローリングストック法を実践でき、使用期限を気にせず、自然に備蓄を消費する習慣を身につけることができます。
ガスボンベ備蓄の注意点
保管場所の選び方
ガスボンベは高温や直射日光を避ける必要があります。
特に、夏場の車内や屋外倉庫、直射日光が当たる場所、ストーブやヒーターの近くなど、高温になる場所に保管すると、ガスボンベが爆発する危険があります。
涼しくて風通しの良い場所、例えばクローゼットや収納棚など、温度が一定に保たれる場所に保管することが理想的です。
またボンベ同士を過剰に重ねたり、無理な詰め込みをしないようにしましょう。
ボンベに過度な圧力がかかると、変形や破裂の原因となることがあります。
使用時の注意
ボンベを使う際は、必ず通気の良い場所で使用することを忘れないでください。
密閉された空間で使用すると、一酸化炭素中毒のリスクが高まります。
カセットガスと一緒にお勧めしたいアイテム
ヒートパネル内蔵のカセットコンロ
カセットコンロを選ぶ際に、特にお勧めしたいのがヒートパネルが内蔵されたタイプです。
ヒートパネルとは、ガスボンベに熱を伝えることで、ガスが最後までしっかりと燃焼するように設計された機能です。
これにより、次のようなメリットがあります。
• 低温時でも安定した火力:冬場や寒冷地ではガスボンベのガス圧が下がり、火力が弱くなりがちです。しかし、ヒートパネル内蔵のカセットコンロは、寒い環境でも安定した火力を維持できるため、災害時の調理や暖を取る際にも安心です。
• ガスボンベを無駄なく使用:通常のカセットコンロでは、ガスボンベの残量が少なくなると火力が弱まることがありますが、ヒートパネルのおかげで、ボンベ内のガスを最後まで効率よく使い切ることができます。これにより、ガスの無駄遣いを防ぎ、備蓄しているカセットガスを最大限活用できます。
災害時や冬場に頼れるカセットガスストーブ
冬場の災害時や停電時、特に厳しいのは寒さです。
そんな時に役立つのがカセットガスストーブです。
カセットガスストーブをお勧めする理由
- 電気不要でどこでも使える
- コンパクトで移動しやすい
- 即座に暖かくなる
非常時だけでなく、日常でも活用できる
カセットガスストーブは非常時だけでなく、日常の冬の暖房手段としても非常に便利です。
寒い朝、短時間だけ部屋を温めたいときや、電気の使用を抑えたい場面でも活躍します。
また、日常的に使用することで、ガスボンベを効率的に消費でき、ローリングストック法を取り入れた防災対策にもつながります。
【イワタニ デカ暖】
正面の広い範囲を温めるので部屋の暖房にも使える
【イワタニ 風暖】
電気を使わず温風が出てくるカセットガスファンヒーター
【イワタニ マル暖】
屋内外兼用 天板で夜間も温められる