伸び悩む部下への正しい対処法!INFJが提案する共感型リーダーシップ
仕事において、部下がミスをしたとき、どう対処するかはリーダーにとって重要な課題です。
叱ることが必要な場合もありますが、その叱り方一つで相手に与える影響は大きく異なります。
ミスをしてしまった本人に寄り添い、相手の状況に配慮した優しさのある叱り方が、今の時代には必要だと思います。
そして、その「優しさのある叱り方」には、INFJの共感力が欠かせません。
私自身、INFJとして他人の気持ちに敏感であるため、フィードバックの仕方には常に配慮しています。
相手に寄り添い、共感を持って伝えることで、相手に響きやすく、成長を促すことを期待しています。
この記事では、優しさを持ちながら、どうすれば効果的な叱り方ができるのかについて、INFJの視点から考えていきます。
僕がこれまでの経験から学んだことを、ぜひ参考にしてもらえれば幸いです。
尊敬されない人の叱責は届かない
仕事でミスをして叱られることは、誰もが経験していると思います。
それ自体は仕方のないことですし、叱られた時にはもちろん自分の過ちを反省します。
誰でもミスをしたら、その責任を取ることは大切ですし、フィードバックを受けるのも仕事の一部です。
ただ、時々こう感じることもあるんです。
「なぜこの人は、こんな言い方しかできないんだろう?」と。
叱ること自体には反対しませんが、問題はその言い方です。
必要以上にくどくどと説教が続いたり、優しさのかけらもない叱り方をされると、次第に反省の気持ちが薄れていってしまうものです。
最初は自分のミスに対して真剣に反省していても、次第に「この人、残念な人だな」と感じるようになってしまいます。
「この人は仕事以外では評価されたことがなく、仕事でしか自分のアイデンティティを誇示できないんだろうな」
「きっと人間性のせいで、実力に見合った評価を得られていないんだろうな」と思ってしまうことさえあります。
「可哀想な人だな」と。
そう思われてしまうと、何を言われても心に響きません。
人として尊敬できない人からの話はどうしても受け入れられないものです。
それどころか叱られている本人だけでなく、周りでその状況を見ている人たちも、同じように感じてしまいます。
結局、必要以上に叱ることは、叱られている本人には響かないばかりか、周囲の人からも尊敬を失ってしまう結果につながります。
叱る側にとっても、何一つ良いことがないんです。
叱るのではなく共感する
再発防止のためのフィードバック
ミスが起きたときにまず理解してほしいのは、人は誰も悪意を持ってミスをしているわけではないということです。
ミスをした本人は、実際には自分の愚かさや不器用さに情けなく感じています。
中には、ミスをした現実をまともに受けるとハートが壊れてしまうため、そんな自分を誤魔化すために、ヘラヘラしてしまう人もいるかもしれません。
それは、決して仕事を舐めているわけではなく、むしろ一所懸命やっているにもかかわらず、できない自分がカッコ悪くて、その場を誤魔化そうとしているのです。
だからこそ、INFJとして私が重視しているのは、まずミスの背景をしっかりと聞いて共感することです。
ミスには、プレッシャーや体調不良、さらには環境の変化といった人的な要因が含まれることもありますが、それだけではありません。
不適切なオペレーションやマニュアル、不明瞭な指示や教育不足といった要因もミスの大きな原因となることがあります。
さらに重要な点は、あなたが視界にとらえている景色と部下が視界にとらえている景色が必ずしも同じだとは限らないということです。
色も人によって見え方が異なるように、同じ状況下にあっても、部下がどう感じ、どう解釈しているかはあなたとは違う可能性があります。
その違いを理解せずに一方的に叱ることは、問題の本質を見誤るリスクがあります。
だからこそ、まずは部下がどのように状況を見て、どんな要因が絡んでいたのかを理解することが大切です。
この視点を持つことで、単なる叱責ではなく、再発防止に向けた建設的なフィードバックが可能になるのです。
「できる」「できない」「できるけど、めちゃくちゃ疲れる」
よくあるのが、「自分ができるから、この人にもできるだろう」「あの人にもできたんだから、この人にもできるはず」という考え方。
これは一見、合理的なように見えますが、実は非常に強引です。
この理論を極端に推し進めると、「東大生がみんな理解できる講義だから、あなたも東大の講義についてこれるよね?」という無理な論理が成立してしまいます。
もちろん、血の滲むような努力をすれば、その日の講義が理解できるかもしれません。
しかし、それが終わりではありません。
翌日には「英語」、その次には「経済」、さらには「医学」の授業が待っているとしたら?
できるかできないかという二択だけで考えれば、確かに「できる」かもしれません。
しかし正確に言うなら、「できるけど、めちゃくちゃ疲れる」が適切ではないですか?
大学には入学試験があるため、理解の差はそれほど大きくないでしょう。
しかし、あなたの会社では採用時にIQテストや能力試験を行っていますか?
もし行っていないのであれば、全員が同じ能力を持っているわけではないことを理解すべきです。
私たちは皆、それぞれ異なる背景、得意分野、限界を持っています。
自分の基準を他人に押し付けるのではなく、各々の能力や限界を尊重し、無理のない範囲でサポートし合うことが、持続可能な職場環境を作るためには必要です。
怠けているのではなく、できない
よく「覚えられないならメモを取れ」と叱る人がいます。
覚えられない人って、きっと重要なポイントがどこかわからなくて一言一句覚えようとするから定着しないんだと思うんです。
メモを取るべき重要なポイントが分かっていたら、覚えるのには苦労しないでしょう。
一言一句全て文字に起こすわけにはいかないし、かといって押さえておくべき重要なポイントもわからない。
『メモを取れと言われても、何をメモすればよいのか本当にわからない』これが本質です。
同様に、「努力が足りない」「もっと頭をつかえ」という叱り方も実際には、怠けているのではなく、努力の仕方や考えるための方法がわからないことが原因であることが多いです。
これを例えるならば、陸上選手に「頑張って早く走れ」と指導するのと同じようなものです。
速く走るためにはフォームや筋力トレーニング、正しい走り方といった基本があってこそタイムを縮めることができるのです。
職場でも同様です。
漠然と「努力しろ」「考えろ」と言われても、具体的な方法や手順が示されていなければ、どれだけ努力しても成果は上がらないのです。
それでも部下が使えないと感じたら
時には「諦める」ことも選択肢
部下が成長できるようにサポートし、一通りの教育を行うことは、リーダーとして当然の責務です。
しかし、それでも成長が見られず、イライラして叱責してしまうほどであれば、一つの選択肢として「諦める」ことも重要です。
なぜなら、全ての人が同じ成長意欲や目標を持っているわけではないからです。
部下の中には、給料も出世も望まず、責任のない単純作業で十分だと感じている人もいるかもしれません。
こうした人たちを無理に引き上げようとするよりも、あえてそのまま「働かない層」として責任のない単純作業要員として抱えておく方が双方ストレスがありません。
2割の働かない層が生まれるのは自然の摂理
仕事において、全員が常に100%の生産率を追い求めることは、現実的ではありません。
ここで参考にしたいのが『働き蟻の法則』というもの。
組織において、上位20%が最も高い生産性を発揮し、60%は平均的なパフォーマンス、そして残りの20%が低いパフォーマンスにとどまるというもの。
蟻の社会では、すべての蟻が常に働いているわけではなく、実際には約20%の蟻がほとんど働かず、残りの80%が全体の仕事を支えています。
興味深いのは、この20%の「働かない蟻」を取り除いたとしても、新たに残った蟻の中から別の20%が「働かない蟻」になるということです。
どのような集団にも一定の割合で非効率なメンバーが存在するのは自然の摂理。
このような視点から考えると、生産性の低い人を引き上げようとする努力は、必ずしも効率的ではないことがわかります。
しかし、多くの企業やチームで「働かない2割」を引き上げるために、組織全体の8割もの労力を費やしているのではないでしょうか?
たとえ今のメンバーから「働かない20%」を取り除いたとしても、働き蟻の法則によって残りのメンバーの中から新たに働かない層が生まれることが示されています。
最悪の場合、人材が離職してしまうこともあります。
成長しない層への対処法が生むストレス
「働かない層を甘やかすと、他のメンバーから不満が出る」という意見もありますが、働かない層を無理に引き上げることが、他のメンバーの不満になることも十分あり得ます。
特に、生産性を強く求める上司と、成長が見られない部下の間に挟まれている中間層のメンバーにとっては、大きなストレスです。
上司からは高い結果を求められつつ、成長しない部下のサポートをしなければならないという難しい立場に立たされることがあるからです。
懸命に働いているにもかかわらず、フォローしている部下のために叱責されたり、無理をして上司の期待に応えようとすることで不満が溜まってしまうのです。
こうした不満が積もり積もっていくと、優秀なメンバーが離職を考える要因にもなりかねません。
パレートの法則って聞いたことがありますか?
売上の80%は、上位2割の優秀な従業員によって生み出されるというもの。
成長しない部下を無理に引き上げることに労力を注ぐよりも、適材適所で役割を割り振り、無理なく働ける環境を整えることが、長期的には組織全体の生産性を高める最善の方法なのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
僕は、叱ること自体が悪いことだとは思っていません。
特に、すぐに対処しなければ怪我や事故、大きな損害につながるような場合には、迅速で厳しいフィードバックが必要です。
しかし、単に叱るだけではなく、その叱り方が大きな影響を与えることを忘れてはいけません。
重要なのは、ミスをした本人の背景を理解し、寄り添う姿勢を持ちながら再発防止のための建設的なフィードバックを行うことです。
優しさを持ちながら、効果的なフィードバックを提供することが、最終的には組織全体の生産性を高め、チームの調和を維持するためのカギになります。